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建築学部

4年生 伝統建築領域 井上年和ゼミ活動

こんにちは。今回は伝統建築領域4年生の井上年和ゼミ活動をご紹介させていただきます。

建築学科4年生は、全員がゼミに所属し、各担当教員のもとで実習・演習を行います。

そして、4年間の集大成である「卒業制作」に向けて、自らテーマを設定して研究に取り組みます。

さて、井上年和ゼミでは、伝統建築の「価値を認識」し、これを「保存」・「活用」・「継承」し、「伝統文化が今後も発展」していくための様々な調査・研究を実践しています。

現在は、「先斗町」(ぽんとちょう)という京都の花街にある料理屋さんの建物を調べさせていただいています。

▲ お座敷の設え(しつらえ)などもしっかりと確認しながら調査を進めます。

この建物は、もともと「お茶屋」さんといって、芸妓さんや舞妓さんがお客さんを「もてなす」ためのものでしたが、時代を経て改修を受けながら使われ続けているわけです。

そういった「おもてなしの空間」「図化・記録」することで、その間取り意匠、空間の考え方、材料の使い方、職人さんの工夫などなど、あらゆる情報が把握できるようになります。

▲ 現地で「見ながら図化」すると建築をより深く広く理解できます。

それだけではありません。

床下や小屋裏など、普段は見ることのできない個所を調査することにより、部材の配置木の組み方などの軸部(骨組み)建築構法も理解できますし、いつ建てられたか、いつ改修を受けたかなどの履歴(りれき)もだんだんと見えてきます。

今回はゼミ生のファインプレーで100年以上前の建物であることが判明しました。

私もゼミ生も毎回ワクワクゾクゾクしながら調査を進めています。

▲ 小屋裏(屋根裏)の調査もお手の物。新たな発見物もあってまるで探検家のよう!

そして、現地で得た情報を持ち帰って整理し、分析を進めていきます。

まずは、CAD(Computer Aided Design 建築図面を作成するアプリ)を使って現状図を画き、また、建物が建てられた当時の姿を想像しながら改修履歴をまとめるため、パソコンでの作業が続きます。

現地調査 → 整理・分析 → 図化 というプロセスを経て結果をまとめると、より具体的で説得力のある計画を提案できるようになり、この経験は、将来社会で活躍する上で、非常に大切な糧となります。

▲ なかなか慣れなかったパソコン操作も徐々に習得。効率も上がってきました。

調査結果がまとまれば、まち並みの歴史や現状も調べ、未来への展望も見えてくれば・・・との作戦を遂行すべく、目下奮闘中です!

真剣に取り組むゼミ生のみなさんの姿勢に、私も元気をもらって一緒に研究に励む日々を過ごしています。

途中経過は7月18日(日)のオープンキャンパス「卒業制作中間発表プレゼン見学 」(←クリック)で公開する予定です。

でき上りに乞うご期待です。

※ 掲載にあたっては許可を得ています。

(准教授 井上年和)

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