KYOBI BLOG

建築学部

種村ゼミの卒業制作中間報告

種村ゼミでの卒業制作・論文の方針

制作:建築・地域・都市を活性化する─建築・地域・都市空間の調査・提案・デザイン

現在の建築、地域、都市が直面している課題を発見し、実際の敷地を選定し総合的な視点より調査・分析を行い、既存の型通りの建築に縛られない新たな課題解決型の建築、まちづくりの提案を行う。

論文:建築・地域空間の生成の仕組みに関する研究─設計プロセス・福祉環境研究

建築空間の生成のプロセスに焦点を当て、設計手順、思考方法を分析することにより、よりよい空間を計画・設計するメカニズムを明らかにし建築設計教育に還元できる教材開発を行う。

種村ゼミの進め方

今年の4月から来年2月までの全体的な進行段階を大きく「起・承・展(転ではない)・結」としており、「起」で問題提起とし、「承」で自らの主題として解決方針・方策の仮設を立てる、そして、「展」としてその仮説をもとに展開(調査、分析、各種スタディ)を行い、「結」として結論すなわち建築デザイン(設計・製図)を行い、それらを人に判り易く伝えるためのプレゼンテーション・発表となります。

種村ゼミの今年度の共通課題

一般的には、大学での建築デザイン演習では課題及び敷地は与えられ、その範囲内で適切な解答を出すのが基本であるが、卒業制作は、自ら課題を発見し、敷地を選定し、解決策を提案することを目指している。そのことからまず各自の卒業制作でやりたいことをレポートしてもらい、それらに関する資料の提供とレクチャーを行い各自の問題意識の社会的背景、意義などを議論しながら課題を確定していった。ただ今回は未だ先の見えないかつ特に全ての人に係るコロナ問題とますます身に迫ってきた地球環境問題を重点課題とし、様々な面で変革を求められ、今までの様々な課題の改善のきっかけになる可能性があるものと捉え、全員の共通課題とした。様々な課題とは、例えばグローバル化・集中化等によるローカリティ・分散化・多様化の阻害、精神的豊かな生活のための働き方改革、職住環境の改善、都会や地方における地域再生、災害対策、地球環境問題と自然との共生、それらの問題に対処できる次世代育成などである。それらの課題は決して建築で改善できるものには限りがあるかもしれないが、ゼミ生各自が設定した課題、建築用途に応じて、今までの型にはまらない自然と共生し、適度な距離間を確保して共感を生む、視線の通り、採光、通風のよい新たな活動が発生し豊かな風景が展開する建築、まちづくりを提案することとしている。

現在の進行状況としては、「起」「承」を一度完了させ、それらの見直し及び洗練させ、「展」へと移行しつつあります。

現時点(7月末の中間報告)での各自の「起」➔「承」を紹介します。

(特任教授 種村俊昭)

京都学演習Ⅰ(2年生前期)の授業風景
一覧へ戻る
4年生 伝統建築領域 大上直樹ゼミ活動