今回は卒業生(KYOBI 6期生・建築学科2期生)の山尾エリカさんをご紹介させていただきます。
山尾さんはアルゼンチンの大学を卒業した後、デザイン事務所勤務を経てKYOBIに入学されました。
KYOBIでは建築デザインと伝統建築の両方の領域で学び、4年生時には学部長でもある高田光雄教授の指導を受け、卒業制作では見事に最優秀賞、理事長賞を獲得されました。
さて、そんな山尾さんはこの度「京都国際写真祭(KYOTOGRAPHIE international photography festival) 2021」において、中国出身のフォトジャーナリストである梁莹菲(リャン・インフェイ)の作品「傷痕の下」の展示デザインを担当されました。展示は5つのボックスに分けられていましたが、それぞれのボックスは半透明のシリコンシートにより柔らかく仕切られ、鑑賞者の影が映り、間仕切りの下部を開放とすることにより、間隔を取りながらも互いの存在を認識し合えるように工夫されていました。
また、この認識により各ボックスの中では、程よい広さ、程よい密度の空間で梁莹菲(リャン・インフェイ)の作品(画像・音声)を楽しめるように仕掛けられていました。
これは、日本で和風建築について学んでいく中で、光や影を柔らかく透過する“障子”から着想を得たもので、今回のデザインの基本となったそうです。
建築学科出身の同級生とは、このような空間をデザインするに至った経緯やそのコンセプト、また、間仕切りの材料や取り付け方などの細部についても話が弾みました。
こうして情報を共有し、お互いに成長し合える仲間がいることも大学で共に学ぶ大きな意義となります。
同級生の他、指導教官である高田光雄先生も会場に駆け付け山尾さんにエールを送り、私も作品や展示空間を鑑賞させていただき大変勉強になりました。
KYOTOGRAPHIE2021は10月17日(日)まで各会場で開催されています。是非とも山尾さんの展示デザインにも足をお運びください。
https://www.kyotographie.jp/exhibitions/yingfei-liang/
掲載に当たっては山尾さん、同級生の富田千優さん、KYOTOGRAPHIE事務局さまにご協力いただきました。
ここに改めて感謝申し上げます。
(准教授 井上年和)