こんにちは、今回は、人見将敏研究室の活動を簡単にですが紹介させていただきます。
私の研究室では、主に、建築設計や建築論、近代建築史を専門としており、特に、建築の意匠・デザイン面に着目しています。建築を「考え」、そして「手を動かす」、という建築設計を行う上で当たり前なのだけれどやはり重要なことを、大事にしたいと考えています。
研究室の方針としては、基本的には4年生の興味をもとに活動を進めていきたいと考えています。その間、自身の関心をもとに、なるべく多くの本や情報に触れてほしいと思っています。そして、その中で得た情報や経験の切断面が、4年生の卒業設計・卒業論文として表現されていると良いなと思っています。それは、4年生の時の目標を、卒業設計・論文の完成度に置くのではなく、もう少し先の、10年・20年先の自分や社会のために置いてほしいと考えるためです。
前期の活動を紹介します。
前期は本を読み・選び・発表することを通して、建築的な知識を増やすとともに、自身のおぼろげな興味を少しづつ明確にしていきます。今年度は所属人数の関係から2グループに分けて進めていきました。
まず1冊目は、両グループ共通で、以下の本を読みました。
1,『都市と建築の解剖学 形態分析によって「設計戦略」を読む』、ジェフリー・H・ベイカー著、富岡義人訳、鹿島出版会、1995年
毎年、最初にこの本を読むことにしています。
2冊目は、私の興味と学生たちの関心も合わせて、A,B各グループで以下の本を選びました。
2-A-1,『ル・コルビュジエから遠く離れて 日本の20世紀建築遺産』、松隈洋著、みすず書房、2016年
2-B-1,『京都学び舎の建築史 明治から昭和までの小学校』、大場修著、京都新聞出版センター、2019年
2-B-2,『集落の教え100』、原広司著、彰国社、1998年
それぞれのグループでの発表が終わったら、全員参加の合同会でそれぞれの内容を発表し合い、情報を共有します。
そして3冊目は、学生個人個人の興味のもとに選定・発表してもらい、例えば以下のものがありました。
・『建築を愛する人の十三章』、香山壽夫著、左右社、2021年
・『都市デザイン 101のアイデア』、マシュー・フレデリック、ヴィカス・メータ著、杉山まどか訳、フィルムアート社、2021年
・『人と空間が生きる音デザイン 12の場所、12の物語』、小松正史著、昭和堂、2020年
・『空き家を活かす 空間資源大国ニッポンの知恵』、松村秀一著、朝日新聞出版、2018年
それぞれの関心は、前期の成果発表会や今後の卒業研究に結びついていくと思います。どうぞご期待ください!
建築学部建築学科 准教授 人見将敏