こんにちは、建築学部長の井上晋一です。
今回は、7月17(日)・7月24日(日)の2日間にわたり開催されたデザイン演習Ⅲ成果発表会(4年生前期建築)の模様をお伝えします。
本年度の4年生は168人在籍しており、4月から15の研究室のいずれかに所属しています。4年生前期は建築デザイン演習Ⅲ、後期は卒業制作と一年間をかけ建築学科における卒業制作を行います。前期は研究室ごとに別々の課題が課され、半年をかけ後期の卒業制作に向けての準備をおこないました。報告会は全員が発表を行うため、昨年度からオープンキャンパスの開催日である2日間に開催しており、オープンキャンパス参加の学生も自由に聴講することができます。
本年度は京都の夏の風物詩である祇園祭の山鉾巡行が3年ぶりに開催され、報告会の2日間と重なりました。現4年生はコロナ禍の影響もあり、大学入学してから一度も祇園祭を体験しておりません。また、大学の教員の中にも祇園祭の研究を行っている先生方がおられます。
さらに7月24日(日)は国家資格である一級建築士の学科試験(一次試験)があり、3年時に二級建築士試験に合格した学生の中には4年生で一級建築士試験にチャレンジする人もいます。(ちなみに、昨年度と一昨年度の一級建築士の学科試験は、東京オリンピック開催にともない試験会場が確保できないため、2週間試験日程が早まりました。)
したがって、本年度は2日間の内いづれか1日だけの参加を義務づけました。1人発表3分質疑応答2分を割り振りましたが、朝8:50から夕方17:30までスケジュールがぎっしり詰まっていました。3分間の発表は短いですが、発表練習していないと内容もなく短い発表になったり、だらだらと長くなりがちです。ほとんどの学生は事前に発表練習を行っており、大体800文字程度の発表原稿を作り発表に望んでいるため、概ね聞きやすい発表が多かったと思います。
昨年度は研究室ごとの発表でしたが、本年度は12の製作カテゴリー(建築意匠・建築計画・都市地域計画まちづくり制作、再生デザイン、インテリア、環境デザインランドスケープ、建築論・建築史都市史・建築構造・建築生産・環境工学・その他)と日本建築学会の学会発表風に行いました。指導教員の助言はあるもののカテゴリーは学生に任せて選ばせたため、同じような内容でも別のセッションでの発表になっているものも多かったです。
学生達は、久しぶりの全体発表もあってものすごく緊張している様子でした。オープンキャンパスの学生やその父兄が入室してくると、緊張感がMAXに達しているようでした。先生方も質疑に熱がこもり学生の応答もしどろもどろになる場面も多く見受けられました。ただ、全体的には建設的な指摘が多く、穏やかな2日間の報告会でした。
発表内容のレベルは様々でしたが、内容の似通った発表も数多く見られ、学生達はお互いに刺激を受け合っているようです。研究室内だけでなく、研究室の枠を超えて議論や意見交換を行い、又は共同制作などを積極的に行ってほしいと感じた2日間でした。発表した4年生及び審査に参加した先生方、発表会の進行を手伝ってくれた大学院生のTAさん、本当にお疲れ様。