こんにちは。建築学科の新海(シンカイ)です。私は、大学院ではインテリアや都市デザインに関する講義科目、学部では建築設計に関する演習・実習、卒業制作などを担当しています。今年の新海研究室には11名のゼミ生が所属しています。今回は、研究室に所属するゼミ生達の日常的な活動、卒業研究に向けた取り組みをご紹介します。
今年のゼミ生達は前期の「建築デザイン演習Ⅲ」で、後期の「卒業制作」(以下、卒業設計)を視野に入れた事例研究に取り組みました。具体的には、卒業設計のテーマに関連する既存事例や作品を50〜100件程度集めて分類・整理し、敷地、用途、特徴的な空間、設計手法など、その事例について調べます。そしてその中から、特に参考にしたい作品を選び、各種図面の収集、設計コンセプトや敷地状況、周辺環境などについての調査を行い、ArchiCADを用いた3次元モデル、TWINMOTIONを用いたCG画像やウォークスルー動画、建築模型を制作して、選んだ作品の詳細や魅力、設計手法を細かく研究し、卒業設計の企画立案に役立てます。
私の専門分野は、建築、都市、環境共生、情報、インテリア、デジタルデザイン、プロダクトデザイン等、多岐に渡りますが、卒業設計のテーマはこれにかかわらず、学生自身が自らの関心に応じて設定し、具体的な作品や提案にまとめる方法を、週2回の卒業研究ゼミで学生と私が一緒に考えながら進めていきます。
今年、新海研究室で卒業設計に取り組むゼミ生は第2期生となりました。感染予防の観点から、まだ大人数での見学会に出かけるのは難しいですが、週に2回の卒業研究ゼミでのセッションの他、各学年の有志がお菓子を持ち寄って建築やデザインに関わるDVDを視聴する「ほぼ月に1回映画を観る会」を開催したり、ゼミ生が1年生の設計導入実習のSA(Student Assistant)を務めたり、オープンキャンパスのワークショップの参加者を指導したり、建築やデザインに関する教養を高めるとともに、教えながら学ぶ活動も行っています。
今回は、前述の4年前期の「建築デザイン演習Ⅲ」で私の研究室のゼミ生達が取り組んだ事例研究の成果品の一部をご紹介します。私の研究室では、CADやBIMの実践的活用方法を学ぶだけではなく、手描きのスケッチや模型、コンピュータを用いた表現、映像など様々なメディアを組み合わせて、各自のアイディアを他者に伝達する方法を探求しています。彼(彼女)らの取り組みで特徴的なのは、企画段階で細かな情報収集を行い、その分析結果に基づいて論理的に設計を進める点です。
この夏休み中は、各ゼミ生が後期の卒業設計に向けて敷地調査や造形研究を進めています。新海研究室のゼミ生達がどのような卒業設計をまとめるのか楽しみです。
(教授 新海俊一)