こんにちは、山内貴博です。7月になり中間発表の準備に騒がしくなってきました。就職活動も一段落ついて、建築設計のほか施工管理や土木造園、まちづくり公務員、中には風景への関心から眺望の素敵なホテルに就職する人など様々です。院生は一級建築士を目指し勉強に集中しながら自身の研究と奮闘しています。研究テーマは、子供の遊び環境に関する内容と倉吉市打吹玉川伝統的建造物群に関する内容です。4回生は、防災公園、福祉施設、金沢市東山ひがし茶屋や岡山県真庭市勝山の伝統的建造物群に関する内容、札幌市中央区大通公園、大阪市西成地域、京都愛宕ケーブル遺構、石川県羽咋市の中心市街地、長浜のまちづくりに取り組んでいます。
4回生の前期演習は、構成要素に着目した議論を行っています。京都市内の路地再生事例の視察にはじまり、清水坂界隈、智積院や東福寺、藤野家、金地院そして瓢亭にみる建物と庭との関係、鳩居堂と虎屋菓寮の新しい建築意匠等をサーヴェイしました。一方、京都の街をあらためて意識してみると「カレーと珈琲の街」という意見が出て、カレーを構成要素に分解しておいしいお店の味を再現することは可能か、試みようとしました。本演習で議論したことを卒業制作へ活かします。
院生の演習では、京都市左京区下鴨地域の長屋に関するリサーチを行っています。内容は、1. 敷地分析、2. 復原考察、3. 保存再生、4. 建替計画に分けられます。1. は現地調査から地勢や景観を分析します。ところで三軒長屋の二軒は前所有者が中を繋げ暮していました。その一軒を建替る計画で、他の二軒は残す想定です。そこで既存建物の実測と痕跡調査から、2. 復原考察を行い、建物の切り離しが可能か確かめました。一方、残す建物は、今後どの様な住まい方が考えられるのか、3. 保存再生について検討します。4. 建替計画は、親と子供の家族四人が生活する最小限住居の提案です。結論として、本プロジェクトの通底するテーマが「変わることと変わらないこと」と再認識されたことで、設計内容を類型化する意義が理解できました。
以上の活動を行っています。ご一読ありがとうございました。