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建築学部

森重研究室の紹介 2023

こんにちは。建築学部教員の森重です。今年度の研究室の活動について紹介したいと思います。

教員の研究としては、主として京都市内を対象に、歴史的市街地の特徴的な存在である町家や路地といったストックを現代の住環境として住み継いでいく上での課題や方法について、フィールドに出ながら検討を行ったり、具体的な設計プロジェクトに関わったりしています。

それに対して、所属する学生は、もう少し広い視点で各自の研究テーマを選定します。住宅や住宅地に関心を持つ学生が比較的多く集まっていますが、その他のビルディングタイプを卒業設計のテーマとすることもあります。

そういった場合でも、研究室では、まちの広がりの中で建築を見る、建築をめぐる社会の動きや人の活動を多角的にとらえる、という視点を大切にしています。そのため、論文はもちろん、設計の場合でも、リサーチを重視して取り組んでもらっています。

各自の選定したテーマに基づく研究活動の他に、研究室として、まち歩きやまちづくり活動への参加を行っています。今年度の前期~夏期は、下記のような活動を行いました。

1)路地まち歩きと町家の実例見学

京都美術工芸大学は、京都駅や田の字地区からもほど近い恵まれた立地にあり、キャンパスを一歩出た周辺には、新旧の建物が混在する、歴史都市京都の現在を学ぶにふさわしい市街地が広がっています。忙しい学生は、大学と自宅の往復になりがちという話もよく聞きますが、それは本当にもったいありません。研究室では、例年まち歩きを行ってまちを観察するとともに、町家の見学も行っています。

2)まちづくり活動への参加

2023年度から、東山区粟田学区のまちづくり協議会の活動に教員が参加しています。その関係で、地域の調査や打合せ、夏祭りなどに学生が参加する機会を頂戴しています。まちの一部としての建築の姿、地域での人々の暮らしやコミュニティについて学ぶ、非常にありがたい経験となっています。

3)町家改修プロジェクトの模型作成

2023年度前期は、教員が関わっている町家の改修物件について、全員で力を合わせて模型を作りました。現在の4年生は、コロナ禍で全て授業がオンラインとなった時期に入学した学年です。その中で、CADによる建築表現が上達した部分がある反面、模型を作る機会は少なかったかもしれません。今回は、実施設計図面を見ながら、30分の1というスケールで、細かく作りこんだ模型の作成に挑戦しました。真壁や吹き抜けの梁を通して町家の構造を理解するとともに、模型製作の技術向上にも少しは繋がったのではないかと思います。

改修された町家の見学
空き家となっている町家の見学
地域のまちあるきに参加
シェアハウスとして活用されている事例を見学
地域の夏祭りにお手伝いとして参加
まちづくり協議会の方と一緒に記念撮影
研究室での模型製作の様子
真剣な眼差し
完成した模型

10月から後期がスタートし、4年生は、卒業まであと半年を切りました。前期の活動を糧にしつつ、悔いのないよう、残りの時間しっかりと卒業研究に取り組んで欲しいと思っています。

(教授 森重幸子)

江本研究室の紹介 2023
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