KYOBI BLOG

建築学部

二級建築士・木造建築士合格者インタビュー(2023年)

こんにちは、建築学科 教員の黒田です。2023年12月7日(木)に本年度の二級建築士・木造建築士の設計製図試験合格者が発表されました。

本学では、「東山キャンパス」で大学の授業とは別に、京都建築大学校の授業もWスクール講座という形で受講することができます。

このWスクール講座を大学1・2年生の2年間受講し、所定の単位を修得して京都建築大学校の課程を卒業すれば、晴れて二級建築士・木造建築士の受験資格が得られます。

その後、3年生の新学期が始まる少し前から建築士受験対策講座が始まります。まずは7月はじめの学科試験に向けての講座を受講し、8月・9月の夏期休暇期間は製図試験に向けての講座が開講されます。

そして12月7日の合格発表まで、入学から数えて2年8ヶ月の長い道のりを経て多くの建築士が誕生しました(詳しくはホームページを参照して下さい)。

今回は、見事合格を勝ち取った3人の3年生に合格者インタビューをさせてもらいました。

出席者:栗谷健太郎さん(左:二級・木造合格)・森野みのりさん(中央:二級・木造合格)・今村遼太さん(右:二級・木造合格)

司会:二級建築士・木造建築士の合格、おめでとうございます。本日は12月7日の合格発表で合格された3名の3年生に集まってもらい、現在の心境や合格までの経緯などについてお伺いしたいと思います。まずは、合格発表のときの心境やどのように合格を知ったかを聞かせてください。

森野:前日、前々日までは緊張してソワソワしてました。発表当日は母親から電話が来てから確認して、ホームページの自分の番号を何回も見て合格の確認をしました。そのあと、家族に連絡して「おめでとう」と言ってもらいました。

今村:特に二級の製図でミスしてるところもなかったので不合格はないと思っていました。発表までも緊張はしなかったですが、合格がわかってやはり安心しました。お父さんと犬の散歩帰りのお母さんに報告しまして、喜んでくれました。

栗谷:前日まで発表日を忘れてて、わたしは二級の製図は不合格だと思ってました。二級の製図試験終了直前に図面の不整合が分かって、なんとか書ききったけどダメだと思っていました。そんな状態で合格発表を見て、なんで受かったのかもわかりませんでした。一方、木造はできたので大丈夫と思っており、両方合格出来たので親に連絡して喜んでもらい、祖母にも報告しました。

司会:3人とも合格後、ご家族に報告されたとのことで、ご両親、ご家族の方々は合格の報告を受けて、本人と同じかそれ以上に喜んでると思います。栗谷さんは木造はできた感触があったとのことですが、他のお二人は二級と木造の製図試験を終えた時の印象はどうでしたか?

森野:二級は時間がギリギリで終わってあまり見直しができてない状態で、不整合は見当たらなかった。木造は時間が余って見直しができて、二級よりは自信がありました。

今村:木造も結構自信があってミスが見つからなかったので、大丈夫かと思ってました。

司会:3人とも木造は自信があったとのことで、夏の製図対策講座の成果と日頃の努力が実ったのでしょう。栗谷さんは二級の製図で不整合があったとのことですが、今回の二級の製図問題は多目的室とその他の住宅部分でアプローチ動線とゾーニングをしっかり整理してプランニングする必要があり「専用住宅」の課題の中では難しい内容だったと思います。

栗谷:課題を見た時に簡単だと思ったので、簡単だからこそ図面を綺麗に書き上げないとと思い、順調に書き上げて最後に見直しをしてたら、あと2分で屋根の立面がミスっていて下屋が抜けていることに気づきました。その時には「もう間に合わない」と思いながら、なんとか書ききって合格できてよかったです。

司会:最後の2分、諦めないってことが大切ですね。

今村:書き上げることに集中していました。それができたら、まずは満足と。対策講座でも模擬試験の評価ランクではC項目がなかったので、その時から終わらせることを意識すれば大丈夫と。それがあったから試験当日も終わらせることができて、内容も大きなミスがありませんでした。

司会:まず終わらせることからはじめて、クオリティを上げることを実践したんですね。課題を見た時の印象は?

今村:二級製図の課題自体はそれほどサプライズはなくて、素直に計画をすることができた印象です。

森野:授業の時から自信がなくて、まず書き上げることを意識していたのと、書き上げれるようになったら次に面積を意識して、矩計図の切断位置で土台有り、無しなど今までの講座でミスして気づいた内容を繰り返さないように課題文をしっかり読むようにしました。当日は素読みに時間かけすぎて時間がヤバくなって書き上げるのがギリギリになったけど、、、なんとか書き上げました。

司会:夏の製図対策講座でそれぞれの課題を見つけて、その対策をされたんですね。

森野:製図対策講座でも書き上げてたけど、不整合があることがあり、同じ不整合を本番でやりたくなかったので気をつけました。

司会:Wスクールとの両立について、ハードなスケジュールだったと思いますが、両立をどのように進めてきたのでしょうか?

森野:1年生の頃は意識してなく、授業の一環のひとコマと思っていました。実感したのは3年生で、前期は授業を入れずに対策講座に集中して、両立というよりかはどっちを優先するかを考えて、前期は必修科目以外の選択科目はできるだけ後期に回しました。

今村:1、2年生の時はWスクールの授業内容はあまり理解できていませんでしたが、3年生になって理解が追いついてきて、理解できるようになって楽しくなって頑張れました。

司会:楽しくなったって、素晴らしい。

栗谷:1年生の時はコロナの影響でオンライン授業がほとんどで、演習だけ学校に来ていました。画面の向こうの先生の授業を聞きながら図面を書いてましたが、Wスクールの内容が大学の設計演習課題にも活かせました。図面の書き方、蹴上など階段周りの部材の名称など、けっこうWスクールから学んだことが活かせました。2年生になったくらいで二級の対策がいよいよ始まって、最初は学科の法規が苦手で単位を落とすくらいやばかったけど、なんとかなりました。3年生になって、演習課題の方も対策講座も手を抜きたくありませんでした。二級の対策講座は毎日で、設計演習は2週間くらいで堀川団地の課題を集中してやったりと結構忙しかったです。

司会:うまくWスクールと演習を繋げれたのは良かったですね。演習以外の授業も後期に回すなど工夫したのかな?

栗谷:はい、後期に回しました。

司会:選択科目は後期に回すなど調整したけど、設計演習と対策講座の時間の配分って、どうやって取り組んだのかな?

今村:対策講座が理解できて楽しくなると設計演習もやる気になりました。

森野:気分的には栗谷くんと同じで手は抜きたくない気持ちがあって、どっちつかずも嫌で、設計演習のオフィスビルの課題で内装を考えるのが好きでした。その演習はは楽しくできたけど、逆に楽しいから、その設計演習に引っ張られると二級が疎かになるので葛藤してました。

司会:上手にご自身をコントロール出来たのですね。素晴らしい。最後に、対策講座も終わって授業も忙しいと思いますが、今の状況はいかがでしょうか?

栗谷:就職活動しないといけないけど、2023年は資格取ったりと色々変化のあった年でした。来年はコンペなど挑戦したいし、卒業設計との兼ね合いや一級の学科、就活、インターンもあってやりたいことがいっぱいあり、どうやって組み合わせていくかを考えてるとこです。

司会:やりたいことはイメージできてるので、栗谷くんならできると思います、

今村:栗谷くんと同じでいろんな選択肢が増えてきている。これからの1年で今は何を優先すべきか考えて、両立というか交互に変えてやっていったら良いのかなと思ってます。

森野:就職を考えていて、一級建築士の学科の講座も二級建築士の知識があるうちにやっておきたいけど二級の時ほど熱量がなく、二級の学科対策講座は毎日学校、昼間は授業で朝と夜は自分で学習するルーティンがありましたが、今は就活の焦りもあるし、自分で時間を見つけて、やりたいことの一つでインテリアに興味があるので会社の情報も集めています。就職活動がうまくいって早く終われば、一級の学科に集中できると思います。器用に同時に2つのことをするのは難しいので、優先順位を決めて進めていきたいと思います。

司会:みなさんなら、これまでのやり遂げた経験や、自信がこの先に活かされれることと思います。これからの皆さんのさらなる成長を楽しみにしてます、本日はどうもありがとうございました。

(建築学科 講師 黒田祐五)

1年生 建築設計基礎演習Ⅰ 授業風景
一覧へ戻る
工芸領域 陶芸 一年『下絵付Ⅱ』
  • 二級建築士・木造建築士合格者インタビュー(2023年)