建築学科3年生前期の演習「建築デザイン演習IIA」第一課題 アーバン・スモール・オフィスについて紹介します。
<アーバン・スモール・オフィス>
都心部の小さなオフィス建築とそのワークプレースのインテリアデザインを立体的かつ魅力的に提案する課題です。敷地は下京区塩屋町にあり、河原町通りに面しています。敷地南に6階建、北に11階建てのマンションのある囲まれた敷地です。敷地内の既存樹木(ソメイヨシノ)を残すことが設計条件となります。
今年度も様々な設計の創意工夫が見られました。
ある提案は京都らしい街並みを意識した建築の外観をデザインしたものや、あえて分棟配置とし囲われた外部空間を設けたもの、建築内部に導く仕掛けとして吹き抜けや大きなゲートを設けたものなど多種多様な作品がありました。
今回はその中でもユニークな2作品についてご紹介します。
「めぐる香」と題した作品ですが、食品に関する会社と家具会社が入るオフィスの計画です。建築内部に吹き抜けを積極的に設けることで、空間に美味しそうな香りが漂うおおらかな提案です。図面は表現豊かで働いてみたいなと思わせるような魅力的なプレゼンテーションとなっています。
計画案の印象を作る1枚目のパース。
建築をかたちづくるダイアグラムの表現
魅力的な図面表現
暖かい印象を作る夜景のパース
様々な居場所が垣間見れる魅力的な外観パース
興味深いテーマと緻密な設計表現のバランスの取れた素晴らしい作品でした。
次に「カクレモンヨウ」と題した作品です。この作品は京都の伝統紋様である有職紋様を建築の意匠として積極的に取り入れています。建築ファサードやインテリア、家具などに紋様が使われており、細かなインテリアデザインまで表現されています。
夜景イメージ。特徴的な外観をしています。
紋様と建築を結ぶダイアグラム
紋様とインテリアの例
建築ファサードと紋様
紋様というユニークな視点から独自性をもった面白い建築を提案してくれました。
当課題では建築計画から細かなインテリアまでデザインすることができます。課題を通して皆さんのデザイン力の向上を感じました。引き続き頑張っていきましょう。
(講師 齊藤啓輔)