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芸術学部

第6回 KYOBI授業探訪 文化財コース・工芸実習

もと:こんにちはもとです!

のか:のかです!

もと:今日は文化財コースの授業の様子を見ていきますよー。なんと!仏像修理の授業です!今年は南丹市日吉神社からお預かりした仏像二躰を修理するよ。

のか:仏像修理…もとさんの専門じゃん…!仏像修理…わわわ…考えただけで手汗が…(@_@の)

もと:緊張しすぎだよう…(笑)

のか:え、だって、仏像でしょ!すっごく繊細だし、しかも作られたのもかなり昔の時代でしょ…!そりゃ緊張しちゃうよ…えっと、仏像修理って具体的にどんなことを授業でしていくの?

もと:よくぞ聞いてくれました…早速見に行きましょう!(も*´ー`)

のか:ま、まってー!(゜0゜の)

▲解体作業の様子

のか:おお…机の上にたくさんおいてある…これは?今何をしているの?

もと:これはねー解体作業をしているところだよー

のか:え…解体するの!これ解体された後の仏像なのか!

もと:そうそう、江戸時代に制作されたもはこんなにも多くの部材からできているんだ。

のか:な、なるほど…

もと:文化財コースの1期生が過去に授業で日吉神社の調査を行った際に、三十三躰の損傷状態を記録をしたんだ。文化財コースでは、その調査からご縁があり、仏像修理を実習で行うようになったんだ。

のか:そうなんだー…実際に仏像を学生が触れて修理できるのってとっても貴重な経験ね!KYOBIならではの授業カリキュラムの一つって感じ。
そういえば…さっきから「修理」って言葉が多く出てるけど、何をするの…どんなものがあるの??(゜0゜の)

もと:仏像修復では「修理」という言葉は、時代背景や歴史など考えず直すことをいうよ。文化財的な修理を行う場合は「修復」という言葉で表されて、その中で「現状維持」「復元」と修理内容が分けられるんだ。「修理」「修復」は似ているようだけど、仏像を直す際に出来上がりが全然違ったものになってしまうよ。実際は「修理」という言葉は良く用いられるけどね。(も*´ー`)

▲解体社業中。慎重に作業を進めていきます。

のか:そうなんだ。2つの言葉は似ているけれど修理依頼の方々にとって、信仰の対象になる仏像は、守っていくことの考え方が人それぞれ違うから難しいね。

もと:そうそう。今回行う「修復」は、時代背景や作者の意図を考慮し、使われていた接着剤が緩んで材がバラバラになってきているから、解体をして新たに組み直ししたり、当初の彩色が残るように剥落止めをしたりするよ。(ちなみに剥落止めというのは表面のひび割れた部分が割れないように(1※)膠と(2※)布海苔とを塗って固定させる作業のことを指すよ!)

(1※)膠=動物の皮、腱、骨、などを水で煮沸し、溶液を濃縮・冷却・凝固してつくったゼラチン。接着剤に用いられる。 (2※)布海苔=海藻の総称。膠と同様に接着剤に用いられる。

のか:なるほどね。つまりは修理は機能性を重視し修理する方法、修復は当初の歴史的背景を考慮しながら修理するっていう理解でいいのかな…

もと:そんな感じ…なかなか難しいけど。(^^も

▲部材のナンバリング作業

▲ナンバリングされた台座部分の部材

 

のか:徐々に、みんな解体していってるねえ…ちょっと見てて不安になっちゃいそうになるけど。

もと:学生もすっごいはじめはおっかなびっくりだったよー。でもちょっとづつ慣れていって、どの場所が壊れやすいかとかどんな構造になっているのかを実際に触れて把握し、丁寧に作業していくようになったよー。ちなみに解体した部材は、解体しても元の場所に材が戻るように1材ごとにナンバリングをして組み立てるときに元の位置に戻るようにしていくよー。

のか:そうなんだ…確かにかなり古い材だし、一見しただけではどこの材なのか想像もつかないな…こういう地道で根気のいる作業の積み重ねで「修理」というものは成り立っているんだねえ…

もと:そうだね。でもそれがとっても大事なんだよー

 

▲「解体写真」の撮影中。材の状態を丁寧に記録していきます。

 

のか:お、今度はまた別の作業をしてるのね。(゜゜の)

もと:これは今、解体写真を撮ってるところだね。(^^も

のか:解体写真?解体した後の状態を記録するためのものってこと?

もと:そうそう、部材を1つずつ並べてライティングをして撮るよ。写真はなるべく影を入れずに写真を撮るのがコツなんだ。

のか:なるほど。

もと:こういう資料一つ一つがとーっても重要なんだよー。ちなみにこの修理したものは修理報告書にまとめていくよ。どんな修理をしたか、どのような状態なのかという情報を残していくことで今後の修理をする際の切り口になるんだ。結果的に文化財を保護していくのに大いに役立っていくんだ。(も*´ー`)

のか:ほえ…それはすごい…かっこいいなあ。

もと:修理って一口で言ってもすごく奥深いでしょー?

のか:うん。ほんとに奥が深いね…縁の下の力持ちというか、こうやってみていくと一躰の仏像を修理するだけでも、見えない部分で丁寧で繊細な仕事をしていたり、詳細を記録して後世に文化財を守り伝えていく…繊細で地道な作業の上に「修理」というものは成り立っているんだなあって…なんか感動しちゃった。もとさん様々って感じ。

もと:急にどうしたの(笑)でも、ほかでは経験できない体験を経て「修理」を学べて、いろいろなことを考えていけるのは、ほんとに貴重だなあって噛みしめてるよ…!

のか:経験してきたからこそ言えるセリフだよね…かっこいいなあ。学生たちもいろんな経験をしていって自分なりの考え方や価値観、発見そして発言してほしいな…

もと:そうだねえ…!

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