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芸術学部

中信京風パッケージデザインコンペティション受賞者に聞いてみた

のか:こんにちは、あけましておめでとうございます。のかです。

今年も美術工芸学科の色々なことを紹介していますのでよろしくお願いいたします。

中信京風パッケージデザインコンペティション受賞者のお二人である

美術工芸学科 3年生 吉田百花(よしだ ももか)さん、井上采香(いのうえ あやか)さんにお話を伺いました!

パッケージコンペティションについてはこちら

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吉田百花(よしだ ももか)さんインタビュー

のか:よろしくお願いいたします。あ、今回もよろしくお願いしますが正しいですかね…ぜひ…これからも取材させてください!

吉田さん:あ、いえこちらこそ…

のか:それではお願いします!

Q1.コンペ参加のきっかけ、制作期間を教えてください

のか:今回のコンペティションについて製作は関していかがでしたか。

吉田さん:今回も期間が短い中、制作を行いましたね…使用したイラスト自体は別の授業で案を出したりしていたものをベースに仕上げているので、全くのゼロからというわけではないのですが…印刷して形を作るのに1日、徹夜してパネルデータを制作して次の日にパネルに貼って…2日くらいですかね…あ、受賞作品も含めて2つ作品を制作してました。

のか:おお、そうだったんですね…

吉田さん:もう終わった瞬間放心状態でしたからね…でも楽しかったですね…

Q2.作品のコンセプトについて

審査員特別賞受賞作品「KYOTO BAX」

のか:今回も見てすぐに手に取りたくなるような魅力的な作品ですけど、どんなコンセプトなんでしょうか。

吉田さん:もともと他の授業で「京都」というテーマを扱っていてその時に考えていたことを改めてブラッシュアップして今回のコンペに生かしました。

今回は2つ作品を出したんですけど…受賞したのは「京都を持ち帰る」ってコンセプトの方でした。お土産を入れる紙袋として持ち帰った後で、小物を入れて飾っておけるようなボックスに変形して利用ができるような紙袋を作りました。最近取り上げられているSDGsの考え方も取り入れています!

袋の意匠は京都の有名な場所、五山の送り火、舞妓さんなど一目見て京都らしさが伝わるようなものにしました。さきほどもお話ししたように別の授業で考えていた案をベースに、ブラッシュアップを行ってこの形に仕上げました!

のか:紙の質感、色あいが部屋になじむようなさりげないおしゃれさがあっていいですね。

吉田さん:時間もない中で作業をしていたので、紙は未晒(みざらし)のクラフト紙を使用して一発で印刷をしました…が結構夕日の部分のグラデーションが印刷して紙の上に載ったときにレトロな風合いを出してて…これはいい!これでいこう!ってなったんですよ!

のか:そうだったんですか…

紙袋の形もあまり見ない形をしていますね。でも箱として使うにはとても使いやすそうです。

吉田さん:そうですね…まさに小物を入れておけるようなボックスに変形してつかうというコンセプトなので紙袋のサイズ、型については、紙袋としても、箱としても使用できるおしゃれな形を模索していました。スターバックスの紙袋や一般的に使用されている紙袋とかを見比べたり、解体してみて構造や作り方を手探りで探しながら制作を行ってましたね。

のか:なるほど…使いやすさとおしゃれさ、こだわりながら作っていたんですね。

Q3.作品のこだわりpointについて

入賞作品「KYOTO BAX」のキャプションパネルデザイン

のか:今回の吉田さん的こだわりpointを教えてください

吉田さん:それぞれに京都らしいモチーフをちりばめながら、山、夕日の部分をアミ点で表現して全体的にレトロさ、おしゃれさを出しました。結構この辺りは狙った以上にうまく表現ができたので気に入っています。あと、紙袋の種類は5つあるんですけど、すべて並べると絵がひとつながりになるんです。そこも気に入ってる部分ですね。

吉田さんそれと作品とは直接関係ないんですが、作品と一緒に並べたパネルについて並べた時にインパクトというか、目を引くように紙袋と同じような色、イラストを配置して引き立たせるようなデザインにしあげました。

のか:見ただけで直感的にわかるようなデザインもいいですね!ちなみにもう一方の方はどんな作品だったんでしょうか?

吉田さん:京野菜のパッケージですね。パッケージにQRコードがあって…どこでその野菜が作られているのかの情報を読み込めるような仕組みも含めたパッケージです。情報を読み込んだあとのサイトまで作りました!

産地情報も見ることのできる京野菜のパッケージ

のか:サイトまで!それはすごい…

吉田さん:もう一つの方が選ばれたときは「あ…そっちの作品が受賞したのか」って驚きましたね(笑)でも結果として入賞できたのはうれしかったですけどね!!

 

Q4.コンペに参加してみた感想

吉田さん:感想っていうか嬉しいことがありまして。実は…実際にショップの包装用として使うことを前向きに検討したいとのお話をいただきまして…

のか:!?え、それはすごい!おめでとうございます!

吉田さん:あ、ありがとうございます。でも、まだどうなるのかはわからないのですが…

先生から事前にこのコンペに参加する際に作品を色んな業種の方が作品を見に来られるので、もしかしたら実際に店頭に並んだり、商品化されたりすることがあるかもしれないみたいな話を聞いたんですけど…まさか自分にそのお話が頂けるとは思っていなかったので本当にびっくりしました。

のか:なるほど…自分の作品を実際にお店で使ってもらえたらすごくうれしいですよね!

吉田さん:賞をいただけたのも光栄で、すごくうれしかったことなのですが…お話をいただけたことがそれ以上に嬉しかったですね。

のか:採用されたら、買いにいってお部屋で使います!(笑)楽しいお話をありがとうございました!

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井上采香(いのうえ あやか)さんインタビュー

のか:初めましてですね!簡単な自己紹介をお願いします。

井上さん:美術工芸学科 デザイン領域の3年生井上采香(いのうえ あやか)です。よろしくお願いいたします。

のか:ありがとうございます。

Q1.コンペに参加するきっかけ

井上さん:そうですね…率直に言うと1年生、2年生の時にも出したことがなかったから…ですね。思い切って今回は出してみようと思ったのがきっかけです。

のか:なるほど。今回、井上さんは…お土産用のパッケージを制作されて受賞をされたとのことでしたが…

井上さん:あ、それについてなんですけど…今回は3作品を出したんです…そうです…結構期間的に厳しかったんですけど…

のか:そうだったんですね…!

井上さん:う~ん…3つのパッケージのうち、食品パッケージについては授業の課題で製作していたものだったので3か月ほど、そのほかは3週間くらいでした。制作に時間がかかってしまって、搬入前日まで粘って調整しました。

Q2.作品のコンセプトについて

井上さん:今回はSDGsがテーマになっていたのでそれを意識したコンセプトです。①羽織をリメイクして作る風呂敷包のパッケージ、②環境に優しいFSC承認マーク付きの紙を用いた、京都の美しい景観を守りながら河原で食事を楽しむことを想定した食品パッケージ、同じく③FSC承認マーク付きの紙を使用した京都のお土産用のパッケージを作りました。そのなかで今回受賞したのは③のお土産用のパッケージですね!

佳作受賞作品「nagomi」

のか:なるほど、こちらですね。

井上さん:全部で5種類制作しました。

井上さん:私的には②のパッケージが本命で製作を進めていたんです。こっちのパッケージはFSC承認マーク付きの紙を使用して容器を作り、箸も竹を使用し、販売店の宣伝を載せるようなDMを箸のカバーにしています。DMにシードペーパー(植物の種子を漉き込んだ用紙)を使用することで全てが全てリサイクルできるような仕組みを持ったパッケージにしあげています。

羽織をリメイクして作った風呂敷

環境に配慮しながら外での食事を楽しめる食品パッケージ

Q3.作品のこだわりpointについて

のか:気に入ってるところ、苦労したところを改めて教えてください!

井上さん:気に入っているところはいくつかありますが、そうですね…まずは留め具にアロマコードを使用したことですね。アロマコードといって燃やすとお香になるという素材があるんです。たまたま、その素材のこと知っていたので、今回留め具として使用しました。

のか:ふむふむ…

井上さん:箱自体の紙をFSC承認マーク付きの紙を用いました。小物入れとして再使用してもらうことを想定して作り、ひももアロマコードを使用することでお香として再利用できるようにしたことでテーマであるSDGsさらに寄せるような形になりました。

のか:確かに…そうですね。

井上さん:京都の寺社仏閣のお香の香りがするので、コードを焚きながら京都の思い出を思い出す…という効果も得られるのでピッタリなんじゃないかなとも思いました。

のか:わあ…なるほどお香の香りに京都に想いを馳せるみたいな感じがして…粋な仕掛けですね…

井上さん:もう一個は表面と側面部分ですね。パッケージの表面に作品名、正面に有名な観光地、京都の町の碁盤の目を配置して、側面に伝統文様の切り絵を施しています。イラストはクリップスタジオというソフトで描いています。このイラスト部分に金箔で表現する案も出ていましたが最終的に金を思わせるような配色でイラストを仕上げました。

受賞作品「nagomi」

受賞作品「nagomi」側面写真

井上さん:このパッケージ自体は500~700円の一人用のお土産に使うことを想定しています。買った場所やいった場所のパッケージを使うことで、ここに行ったんだなーとかとわかったり、思い出したりできるようなところも効果ととして狙っています。

のか:なるほど…

井上さん:側面部分はイラストレーターで作成した文様をカッターできれいに切り抜いて作りました。途中で切りすぎないかすごくひやひやしてましたね。

のか:本当ですね…

Q4.コンペに参加してみた感想

井上さん:そうですね…まずは締め切りまでに余裕をもって作業をした方が良かったな…という事ですね。でも大変だったけど、いい結果につなげられたのは良かったと思います。

のか:なるほど…最後に後輩にアドバイスもしくは一言何かあればお願いします。

井上さん:普段から、TVやネットについて気になった素材やデザインを調べていってストックしていることですかね。今回はまさにストックしていたアロマコードのアイデアが役にたちました。ゼロベースから考えるよりも、こうやってストックしておくとアイデアを出しやすくなったりすると思うので、困ったり行き詰ったりしたらやってみてほしいですね。

のか:なるほど…とてもためになるお話がたくさんあったと思います。ありがとうございました!

井上さん:ありがとうございました。

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