美術工芸学科・デザイン領域 インテリア空間デザインコース担当の富家です。今年度は専門のインテリア・空間系の実習だけではなく、新たな授業にもいくつか取り組みました。そんな私の後期担当授業の一つである「京都学演習」をご紹介します。
この授業は、講義だけではない演習形式で、学生が自ら手を動かしながら「京都を色んな角度から多方面に実感的に学び取っていく」授業です。
担当教員として、学生に寄り添いながら、その学びための手助けをできる限りしていきました。
そこで、これまでそのヒントになりそうな京都の多面的な成り立ちの歴史や今も色濃く残る、いろんな季節や行事にまつわる固有の歳時記など、様々な学びにつながる講義も同時に行っていきましたが、授業の終盤に差し掛かり、学びの集大成として、最終的に自分の手で撮影した画像、または自ら描画したイラスト、あるいはリサーチした資料などを用い「カレンダー」にまとめるという課題に取り組みました。
「カレンダー」にはインテリアのエレメントとして部屋において図柄を鑑賞したりする用途と、日付を確認したりと実用としての側面があります。どちらかをおろそかにはできず、その2つの側面を高い次元で両立することが求められます。その上で、各自何らかの表現に関するテーマを立て、自分だけの作品作りに取り組みます。
普段の実習とは違い「カレンダーを作ることそのものが目的」なのではない。
あくまで自主的でアクティブな、京都学を学んだ成果として、その結果をカレンダーとしてまとめていく。学生は、それぞれこの課題の意図をしっかり理解して「自分だけの京都らしさ」を作り上げていきました。具体的には、和の模様から京都らしさを探ったり、スイーツや身近な銭湯などからテーマを探ったりです。
まだ課題の締切までには少し期間があるため、すべてが完成したわけではなく、今回はやや完成に近づいている一部の作品しかご紹介できませんが、学生が自発的な学びに意欲的に取り組んでいく姿勢が伝われば幸いです。
オリジナルレイアウトでノスタルジックな表現につなげました
自主的な学びの取り組みは「努力は必要だけどけど楽しい!」「面倒な作業も興味が湧くからがんばれる!」こうしたアクティブで実感的な学びのプロセスをそれぞれが取り組んでいる普段の学びや実習にも生かして貰えればと思います。
美術工芸学科・デザイン領域 特任准教授 富家大器