一年生の後期に行った『下絵付』の授業について、ご紹介致します。
まずは『下絵付』のおさらい
『下絵付』とは、土で成型したものを一度素焼き(約800℃)したものに、絵を描く技法です。
絵を描いた上に釉薬を掛けて本焼きすることから、釉薬の下に絵があるので『下絵付』といいます。
一般的に陶芸の下絵付は、コバルトを主成分とした「呉須」と呼ばれる絵の具で描き、焼成すると青く発色する・・・別名として『呉須絵』・『染付』・中国では『青花』と呼ばれます。
今回は自作の煎茶碗に下絵付を描く『祥瑞煎茶碗』が課題になります。
祥瑞(しょんずい)とは・・・中国の明末・清初,崇禎年間(1628-44)を中心に江西省景徳鎮の民窯で,日本の茶人たちの好みを反映して作られた精緻な絵付の青花磁器で、一部の作品に〈五郎大甫 呉祥瑞造〉の染付銘があるところから祥瑞と呼ばれています。小紋様や山水、宝文様、唐草文などを組み合わせて描くのが特徴です。
まずは『小紋様(こもんよう)』を紙面上で練習する所からはじめます。
紙面上で上手く描けるようになったら、自作の煎茶碗で本番です。
同じ間隔で小紋様を描くために、手回しろくろで赤インクであたりの線を付けます。
赤インクは本焼(1250℃)焼成すると消えてなくなります。
呉須で線描きして、様々な小紋様(上から業平紋・巴紋・雷門紋・七宝紋・追っかけ紋・蓮連紋)を描きます。
次は『山水(さんすい)』を紙面上で練習します。
課題は円の中に山水を描かないといけないので、コンパスに筆を固定して円を煎茶碗に描きます。円を同じ太さで描くのが難しいようです。
円の中に山水を描いていきます。
釉掛けして・・・
1250℃で還元焼成🔥
焼き上がりのかずかず
以上です。二年生からは本焼きした自作の飯碗や抹茶碗に上絵付の課題にすすみます。この話はまたの機会に。
陶芸特任講師 守﨑正洋