このたび、建築学部 江本弘講師の監訳により、ロバート・マクシミリアン・ヴォイチュツケ『未完の美術館 調和にむかって―ル・コルビュジエの思想と国立西洋美術館』(Echelle-1)が刊行されました。
口絵には、同学部 生川慶一郎教授による美術館の写真も使用されています。
「ル・コルビュジエ」および「国立西洋美術館」の名前は、建築・美術を志す誰しもが一度は耳にしたことがあるでしょう。近代建築の巨匠ル・コルビュジエ(1887-1965)の 設計により1959年に竣工したこの美術館が、ユネスコ世界文化遺産に登録されたのは2016年のこと。その後、創建時の姿に近づける整備工事が行われ、昨年春にリニューアルオープンしました。
では、ル・コルビュジエはどのような思想に基づき、どのような理想を求めて国立西洋美術館の設計・プロジェクトに取り組んだのでしょうか?
本書では、新進気鋭の美術史家が、国立西洋美術館設計の根底にあるル・コルビュジエの「調和」の思想と、その追求の道のりを解き明かします。
本書を一読すれば、この美術館の前に立ったときに広がる景色は、より深く豊かなものとなるでしょう。
夏旅のお伴にもお勧めの携行しやすいサイズ(四六判)の本書、図書館や本屋で見かけたら、ぜひ一度手に取ってみてください。
なお、国立西洋美術館の整備工事を取材した映画「わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏」も公開中です。『未完の美術館』は上映館でも頒布されています。
【同映画公式サイト→https://www.seibi-movie.com/】