10 月 9 日(月)、11日(水)、京都府南丹市園部町の天引(あまびき)区で、建築学科の 4 年生 2 名と井上年和准教授が「2023 天引村ワークショップ」を実施しました。
このワークショップは、歴史的な建造物やまち並みの保存・継承の問題に取り組む井上准教授が研究を行う中で、学生も自発的に調査に参加し、村おこしを実践しようと始めたものです。
京都府西部の山間に位置する天引区は、兵庫県の篠山、播磨、そして山陰へと通じる街道が走る交通の要所で、今でも田園や豊かな自然、古民家の集落が残り、のどかながら歴史・文化の重なりが感じられる素敵な場所です。
調査を通して地域の方々と交流する中で、学生たちは過疎化や建物の老朽化といった天引区の現在進行形の問題に直面し、地域の活性化にも協力したいと考えるようになりました。
そこで注目したのが調査対象の「天引村倶楽部」の建物で、茅葺古民家(現在は鉄板の重ね葺き)の歴史的価値の理解や活用方法を住民と一緒に探ってくことが地域活性化につながるのではないかと思い至りました。
こうして 2023 年 5 月、建築学部4年生が主となって「天引村活性化させ隊」を発足させ、「令 和 5 年度南丹市学生提案型まちづくり活動交付金」に申請、南丹市より許諾され、「模型で伝統を継承するプロジェクト」が始動しました。
「天引倶楽部」の模型を制作し、その過程を地域の方々と共有することで建物の魅力や大切さに気付いていただくワークショップを企画。この活動をとおして住民同士の幅広い交流が深まり、村全体が元気になること、また出来上がった模型が地域の伝統建築の継承にも役立つことを目的としています。
「天引倶楽部」や地元住民、地域活性化に取り組む各種団体の協力をいただき、「天引村活性させ隊」の活動は順調に進行し、晴れて 10 月のワークショップ本番を迎えることができました。
今後も引き続きワークショップを開催し、2024 年 2 月には完成した模型の寄贈を予定しています。
学生による京都府の伝統的景観の保存・活用事業に興味を持たれた方は、ぜひ「天引倶楽部」にも足を運んでみてください。