7月28日(日)、2024オープンキャンパス夏のスペシャル企画「特任教授による講演会」第1回として、岸和郎先生による講演会を開催しました。
岸先生は国内外で建築家として活躍されるとともに、40年以上にわたり大学で教鞭を執られ後進の育成にも寄与されています。本学では本年度より建築学研究科の特任教授として大学院生を指導いただいています。
2022年に竣工した文化庁の施設《新行政棟・文化庁移転施設》(通称《文化庁京都庁舎》)の設計者でもある岸先生は、大学院では建築デザインでなく建築史を専攻されていたそうです。
今回の講演会では「過去を現在に繋ぐ―変化するものと変化しないもの―」と題し、見た目は変化しても実は変化していない建築における普遍的なものについてお話しいただきました。
「建築家」出現以前からルネサンス、バロック、ゴシックのイタリア建築からモダニズム建築まで、時代を超えてつくられる「三層構成」や建築と都市の関係性、また建築家の仕事としてのインテリア設計などを、ご自身で撮影された200枚近くの写真スライドを用いて解説。
さらに近作の《文化庁京都庁舎》について、新行政棟は接続する《旧府警本部本館》(1928年/登録有形文化財)と同様に「三層構成」を成すように設計されていること、隣接する《府庁旧本館》(1905年)も含めて3つの時代が出会う空間「Galleria」を設けていることなどを説明されました。
古い建物を活用する場合は新しく設計した部分がどこなのか分かるよう示すことが礼儀といった実践的な話のほか、30代の頃に分からなかったミケランジェロの建築が60代後半になって理解できたといった話など、焦りや迷いも多いであろう建築を志す方たちに励みと学びとなるメッセージを沢山いただき、講演会は大きな拍手で閉会しました。
同企画第2回は8月4日(日)、人間国宝・宮本貞治先生(木工家)による講演です。
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