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建築学科学生が「藤野家住宅」の冬座敷へのしつらえ替えを手伝いました

本年、例年以上に猛暑が続いた京都は10月半ば過ぎになってようやく秋らしい気候となりました。そんな中、「藤野家住宅」(国登録有形文化財)の冬座敷へのしつらえ替えを、夏のしつらえ替えに続いて建築学部の砂川晴彦講師と学生たちがお手伝いしました。

京都市中心部に位置する「藤野家住宅」は、大正15年(1926)に住まいとして建てられ、通りに面して高い塀を構える「大塀造(だいべいづくり)」の町家の秀作として知られます。玄関の前室は茶室を兼ね、玄関のアプローチが茶室の外露地となっており、豊かな外部空間の構成も見どころです。

今回のしつらえ替えでは、まずは夏のあいだ座敷に広げていた網代と藤筵を巻いて片付けました。どちらも大きく、まっすぐに巻くのは難しく、三度チャレンジしてようやく綺麗に巻くことができました。

次に1階に掛けていた葦戸を外し、外した敷物や建具を蔵へ戻し、続いて冬座敷用の襖・障子を運び出しました。

襖と障子の立て方には作法があり、決まった位置に立てる必要があります。学生たちは戸惑いながら立て方を試行錯誤していましたが、その作業を通して伝統的な町家建築における建具配置の工夫を学ぶことができたようです。

続いて2階の客座敷には絨毯を敷き、冬座敷が整いました。

また、今回は初めて欄間の障子の貼り替えも手伝いました。

繊細な欄間は、障子紙をはがすときに組子が折れやすいので注意を要します。元の紙が残らないよう丁寧にはがしてから、自分たちで裁断した新しい障子紙に専用の糊を塗布し、しわのないよう慎重に貼りました。

今回は練習を兼ねて小さい欄間障子の貼り替えだけでしたが、学生たちは新たなスキルの取得に自信を付けたようで、次回は大きな障子の貼り替えにも挑戦したいと意欲を見せていました。

季節ごとに巡ってくる町家のしつらえ替えは、四季の移ろいが曖昧になりつつある現代に生きる学生たちにとって伝統建築そのものだけでなく折々の風趣についても学ぶ貴重な機会となっており、今後も継続されることが願われます。

~「藤野家住宅」は文化活動の会場として貸出もされています~
藤野家住宅〈国登録有形文化財〉ホームページ

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