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パンアメリカーナ大学「ルイス・バラガン ワークショップ」で芸術学部 東俊一郎准教授が講師を務めました

11月12日~15日、メキシコのパンアメリカーナ大学アグアスカリエンテス校 建築学部で 「ルイス・バラガン ワークショップ」が開催され、メキシコ近代建築史家として高名なエンリケ・X・デ・アンダ・アラニス博士とともに、本学芸術学部准教授 東俊一郎先生が特別ゲストとして講師を務めました。

ルイス・バラガン(1902-1988)はメキシコを代表する現代建築の巨匠です。鮮やかな色彩の壁面や水、光によって構成されるその建築空間は世界的にも高く評価されています。 建築における色彩の扱いを専門とする東先生は、以前はメキシコの大学に勤務し、とくにバラガンに焦点をあててその方法論に関する研究を行い、現在は日本でメキシコ建築の普及にも努めています。

このたびのワークショップでは、バラガンの人生史や企業家としての側面についても触れるエンリケ博士による講義に続いて、東先生はバラガンの作品を自分自身の中に取り込み建築芸術を表現できるようになることを目的とした実践課題を提供しました。

実践課題-ルイス・バラガンの手法に倣った色彩空間の創造-
バラガンは建築を作る際、感情のベースとなる幼少期の記憶をもとにした。これに倣い、各自の幼少期の思い出をもとにした色彩空間を創造する。

① 幼少期の写真を持参。当時の思い出を言語化し、写真から色を抽出する。

② 教員から提供されたバラガンが生きた時代の詩から感情を読み取り、イメージを作成。ワードから連想するカラーパレットを作成する。

③ ②で作成した色を使い、バラガンが見たであろうメキシコの伝統的町並みの模型を作成。屋外で、メキシコの強い日差しが当たって壁に色が反射する様子を観察する。

④ 続いて、色の反射を考慮して自由制作に取り組む。影は常にグレーなわけではないことを認識。(色の反射を使った空間演出はバラガン建築の特徴のひとつ)

⑤ インテリア空間における色の反射の仕組みを理解した上で、各自の思い出によるオリジナルのインテリア空間のデザインに取り組む。カメラの覗き穴の付いた模型を制作し、壁の色と外光が織り成す美しい色空間を観察。美しく蘇ることもあれば、淡く消えてしまうこともある記憶を、バラガンは色彩と光で空間に再現した。その手法を、自身の制作した模型で体感する。

参加した81 名の学生たちは、学年を超えたグループを編成して課題に取り組み、それぞれに異なる色彩から成る多様な作品を作り上げました。彼らはこの課題を通して色彩の世界に入り込み 、バラガンがどのようにして「Emotional Architecture(感情的建築)」と呼ばれる革新的な建築スタイルを生み出し得たのかを体験的に理解できたようです。

エンリケ博士と東先生によるワークショップは、学生たちがバラガンの生涯と建築について理解を深めるとともに、専門的な実践や教育に応用できる新しい学習技術について知識を広げる機会にもなったと、パンアメリカーナ大学のルイス・アルトゥーロ・メンデス建築学部長をはじめとする教授陣から好評を博しました。

※本原稿はパンアメリカーナ大学のブログ記事を基に作成しました。

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