8月25日(月)・26日(火)の2日間、「社会活動Ⅱ」の授業一貫で「丹波漆植栽地保全活動」に参加。7月5日(土)の第1回に引き続き、本学と京都府福知山市の間で結ばれた「文化芸術振興協定」のもと、福知山市夜久野町での漆植栽地などで行われました。
25日の午前中は漆の苗畑の草刈りです。福知山市夜久野町平野地にある「やくの木と漆の館」から山を歩いて苗畑に移動します。
漆の苗畑の様子です。雑草がかなり茂っています。
到着後、さっそく草刈りにとりかかります。鎌を使って手作業で丁寧に刈っていきます。
午前・午後の草刈り後、ようやく地面が見えるようになりました。
草刈り作業の後、「やくの木と漆の館」にもどり、漆芸教室で使う教材や道具を作る手伝いをしました。
今回は2日間にわたっての活動になりますので、宿泊先に移動します。NPO法人丹波漆所有の交流施設で地元野菜のバーベキューをいただきました。
2日目の26日です。漆掻きが行われている夜久野町日置地区の現場に移動しました。
現場に着きましたが、前日の雨の影響で木の表面が乾いていないため、漆を採集できませんでした。残念ですが掻いている木の見学をして、NPO法人丹波漆の竹内さんから解説していただきました。
漆を掻いている木の表面です。漆を採集した溝状の掻き傷を見ることができます。
その後は、夜久野町小倉地区に移動し、漆の植栽地を見学しました。
NPO法人丹波漆の岡本理事長から動物や害虫の被害についての話をうかがいました。
葉に毛虫がわいてしまい食べられてしまいます。機会をみつけては駆除しなくてはいけないということでした。
上の写真は鹿に皮を食べられた漆の木です。他にもイノシシが土の中のミミズを食べにくるそうです。漆の木の根が出てしまい困るとのことでした。
植栽地の見学を終え、「やくの木と漆の館」に戻りました。昼食をはさんで日本産漆の精製を行いました。漆精製には「なやし」と「くろめ」の二つの工程がありますが、約90分間ガラス版の上で軽く熱を加えたり風を送ったりしながらヘラで撹拌して水分を飛ばし、白濁した漆を茶色味がかった透明の「素黒目漆」に加工しました。
20分に1回、漆をガラス板に薄くのばして色や透明度を観察します。
今回は3つの班に分かれて精製を行いましたが、ドライヤーで冷風を送りながら撹拌した班の漆が、比較的早く透明度が上がり精製できたようです。
今年度も昨年に続いてあまり天候に恵まれず、肝心の漆掻きの様子を見学できず残念ではありましたが、草刈りなどの保全作業や鹿や猪の害の実情、または漆の精製についての体験など、漆を生産する現場について、より深く学ぶことができたと思います。