10月27日(月)、客員教授 高階秀爾先生の特別講演を7号館新谷記念ホールで行いました。高階先生は、東京大学名誉教授で現在、大原美術館館長を務められています。また、2012年には文化勲章を受章されるなど、日本の美術界を牽引されています。また、フランス芸術文芸勲章も受章されるなど国内外でもご活躍されています。今回は、「美術と工芸 一精妙艶麗の日本美」と題し、工芸や建築を学ぶ学生に対して講演が行われました。
講演では、日本の屋根や刀のそり・ひらがなの曲線などからも日本独自の美が表現されていること、西洋との空間の内と外との考え方の違い、また、庭を例にとっても日本は自然に近い表現になっていること、西洋では明確に分かれている絵画や文学・文字なども、日本では一つの工芸品の中に区別されずに表現されていることなど、日本の美についてその独自性を再発見することができました。
また、本学では現在、フランスパリの「エコール・ブール国立工芸学校」から7名の留学生が来日し工芸を学んでおり、パリ第一大学の名誉教授でもある高階秀爾先生と留学生との意見交換の交流の場も設けられました。本学やグループ校の京都伝統工芸大学校の実習室も見学され、工芸や伝統建築の雛形模型制作過程や制作に使う道具や材料にも熱心に興味を持ってご覧いただきました。