8月24日(月)・25日(火)の2日間、「社会活動Ⅱ 丹波漆植栽地保全活動」が7月4日(土)の第1回に引き続き、本学と京都府福知山市の間に結ばれた「文化芸術振興協定」のもと、福知山市夜久野町の漆植栽地などで行われました。
24日の午前中は前回同様、漆の苗畑の草刈りです。福知山市夜久野町平野地区にある「やくの木と漆の館」から山を歩いて苗畑に移動します。
漆の苗畑の様子です。前回の第1回目でも雑草を抜きましたが、この2か月足らずの間にまた茂っています。
さっそく草刈りにとりかかります。機械でできれば楽ですが、苗を切ってしまうかもしれませんので、鎌を使って手作業で丁寧に刈っていきま。
草刈作業の後、地面が見えるようになりました。
午後からは「やくの木と漆の館」の漆芸教室で使う教材や道具を作る手伝いをしました。
作業終了後、夜久野町小倉地区の植栽地を見学、漆の木の育成具合を確認しました。
NPO法人丹波漆の竹内さんより、育成の状況について、また木を育てる上でのさまざまなご苦労について伺いました。
今回は2日間にわたっての活動になりますので、宿泊先に移動します。NPO法人丹波漆理事長の岡本さんから、いろいろとお話をしていただきました。
2日目の25日です。早朝5時に起床し、予定通り漆掻きの研修を受けるため、現場である夜久野町日置地区の植栽地に移動しました。
NPO法人丹波漆の岡本さんと竹内さんから漆を掻く時の諸注意など、解説をしていただきました。
例年天候のために漆掻きが実施できませんでしたが、今年はなんとか雨が降らず、ようやく念願の漆掻きができました。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
植栽地での漆掻きの作業を終えた後、「やくの木と漆の館」にもどり、日本産漆の精製をおこないました。漆の精製には「なやし」と「くろめ」の二つの工程がありますが、約90分間ガラス版の上で軽く熱を加えたり風を送ったりしながらヘラで撹拌して水分を飛ばし、白濁した漆を茶色味がかった透明の「素黒目漆」に加工しました。
20分に1回、漆をガラス板に薄くのばして色や透明度を観察します。
今回は2班に別れて精製を行いましたが、白熱灯で軽く熱を与えながら撹拌した班の漆が、比較的粘りがある状態で精製できたようです。
今年は念願かなって漆掻きの様子を見学でき、実際に漆を掻くことができました。また、草刈りなどの保全作業や漆の精製の体験などを通じ、普段の実習では経験できない漆を生産する現場における多くのことを、より深く学べたと思います。今回の経験を植栽イベント「うえるかむまつり2015」で生かし、より良い形で成果発表ができるようにしたいと思います。
最後になりましたが、NPO法人丹波漆の岡本理事長・竹内様、やくの木と漆の館の高橋館長はじめスタッフの皆様、大変お世話になりました。